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【第6回 大阪ブランディング勉強会】突破口を開いた成功2事例!ブランディングで成長を加速させる方法

2024.10.05

2024年10月5日に「第6回 大阪ブランディング勉強会」を開催しました。
60名様満員御礼!ご参加くださった皆様、ありがとうございました。



第6回勉強会のテーマは「ブランディングで成長を加速させる方法」。 

ブランディングを経営に活かすことで突破口をひらき、大きく成長されている会社があります。ブランディング当初6億が、10年後の今は100億、3年後の150億が射程に入っている総合介護事業を行うIKOI GROUP様!全く手探りの新規事業に、社員が笑顔で取り組んでいる富士凸版印刷株式会社様!

なぜそのようなことが可能になるのでしょうか?
その秘訣は、インターナルブランディング(インナーブランディング)にあります。インターナルブランディングとは、ブランドの価値観を社内に共有・浸透させていく取り組みのこと。オレンジフリーのご支援先で、インターナルブランディングを経営に取り入れて成功している2社にブランド経営発表をしていただきました。

【第1部:ブランド経営発表】
★IKOI GROUP 「とことん、インターナルブランディング」

メッセージ動画:CEO 中島健之氏
発表者:理事 田中千賀氏、事業部部長 大西巧真氏、通所課課長 天野香奈子氏、訪問介護課課長猿島崇史氏、看護部課長 上野明保氏
ブランド戦略解説:株式会社オレンジフリー代表取締役 蒲原くみ



IKOI GROUPのブランディングの取り組みは、大きく3つのフェーズがあります。
Phase1:コーポレートブランディング(2014年)
Phase2:IKOI GROUP リブランディング 幹部 × 次世代リーダー(2023年)
Phase3:第三世代 リーダー養成 チームブランディング(2024年)

プレゼンテーションは、中島社長が自らの歴史を語る動画で始まり、幹部〜次世代リーダーが一丸となり、熱のこもった発表が続きました。課題解決のために研修を実施したオレンジフリーからも、研修設計の考え方や研修現場でのエピソードなど臨場感あふれるお話をさせていただきました。

成功のポイント:言葉の力と、取り組みの徹底

言葉には、人の心を束ね、動かす力があります。しかし、本質を捉え、共感を生む言葉でなければ、その力は発揮されません。2014年、中島社長と幹部メンバーで行った最初のブランディングで、「とことん、ご利用者様の居場所づくりのために」というブランド・アイデンティティが策定されました。これは、中島社長の姿勢そのものであり、その背中を追いかけて働いている人たちの心を震わせました。この、企業の根幹を捉えた言葉によって、ブランドの価値観を社内に浸透させていったのですが、やはり継続は難しいもの。毎朝、ブランド・アイデンティティを唱和していたセクションも徐々に減り、ついに一部署だけになってしまいました。



危機感を感じた幹部から「根源価値である“とことん”が差別化になる!改めて各施設・各部署にブランド価値を浸透させよう」と幹部合宿での提案がありました。その強い想いに全員の胸は揺さぶられました。一方で「とことん」は今の時代には合わないのじゃないか、根性論と思われるのではないかという意見もありました。ならば、もう一度新しい幹部でブランディングを見直さないといけないのではないだろうか。そこで本格的にインターナルブランディングの取り組みがスタートしました。

課題感を伺い研修設計を行ったオレンジフリーは、「創業メンバーから次世代リーダーにバトンを渡すリブランディング研修」を実装しました。そこでわかったことは、「とことんは、バトンを引き継ぐ次世代リーダーの心に深く根付いている」ということでした。入社3年以内の若手社員8名に意見を訊いたところ、「とことんを無くさないでください。これが好きで入社しました」という声が返ってきました。6医院、41事業所、従業員数920名のスケールになった今でも、「とことん」は生きている!この10年間は間違いではなかったと幹部メンバーは目頭を熱くしました。バトンを引き継ぐ次世代リーダーも、幹部メンバーの熱い想いと視座の高さに触れて大きく成長しました。この研修を経てIKOI GROUPの
ブランド・アイデンティティは、「とことん、から始まるInnovation」になりました。

また、さらにその下の世代にIKOIブランドを浸透させる「第3世代リーダー養成 チームブランディング研修」も現在進行中。研修を起爆剤にして、腹を割って話し合い、想いと戦略を共有する流れが作られています。このインターナルブランディングによって、IKOI GROUPの団結力はかつてないほど強いものになっています。


発表を聴いた参加者からは、「ここまで社員の気持ちが一つになれるのか!」「あらゆることをとことんやり抜き、IKOIさんは本当に凄い!」「とことんで、Z世代の新卒採用もできている!」など驚きの声が上がり、会場は感動の渦に包まれました。





★富士凸版印刷株式会社「小さな会社の大きな挑戦」

発表者:代表取締役 山本登美恵氏



デジタル化で縮小の一途を辿る印刷市場。市場が2分の1になるとの予測に富士凸版印刷3代目の山本社長は、自社の足元から見直すために、ブランディングに着手されました。同時にSDGsを学ぶ社内勉強会もスタート。ブランディング × SDGsで出した回答は、「環境印刷」に舵を切るということ。グリーンプリンティング工場認定取得、エコアクション21認証、実質再生可能エネルギー100%証明書など、徹底的にやり抜いていきました。

成功のポイント:社会に価値を提供する企業になる!と本気で思った

「豊かな社会を未来につなぐ」は同社のビジョンですが、試行錯誤しながら山本社長が気づいたことは、「ビジョンは根っこであり未来でもある」ということ。未来ばかりを追いかけていても、自分の根っこを知らないと未来は来ない!そこで、山本社長は自分の根っこを見直し、経営者として何がしたいのかを自分自身に問い始めました。オレンジフリー会長の吉田ともこは山本社長の潜在意識を掘り起こしてルーツを探り、ルーツから新規事業を組み立てるサポートを行いました。その結果、「地球よし、いのちよし、事業創造の挑戦がしたい」→「養蚕で人と自然の循環を生み出し、持続可能なシルク村をつくる」という結論を導き出すことができました。



桑栽培、養蚕、シルク商品製造工場、サテライトオフィス、農福連携、ホリスティックBIOホテル、カフェを包括する壮大な「シルク村構想」は、事業再構築補助金を得て大きく動き出しました。舞台は飛騨高山の朝日村。自治体との協業パートナーシップも始まりました。雇用促進、移住促進、養蚕技術の継承、農福連携などを行い、過疎化・高齢化対策をするという社会課題の解決も意図しています。既に名古屋には「都会版リトリート施設:つきのいとぐち」も実現できています。

社員と共に桑畑を造成し、蚕を飼うところから始めるという社長の決断に賛成し、社員が笑顔で養蚕に取り組んでいる富士凸版印刷。これは、全社を挙げてブランディングとSDGsの学びに長く取り組み、みんなの想いを一つにしてきたからこそできること。「社会的価値をつくる」事業の大切さを全員が理解し、自分ごととして共に歩んでいます。インターナルブランディングが事業のエンジンになった事例です。

【スペシャルゲスト】
西川 盛朗様
一般社団法人 日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)理事長/ファミリービジネス学会  理事/ヨコハマコンサルティング株式会社 代表取締役会長



西川様より、後日総評が寄せられました。
「両社とも、日本が直面する超少子高齢化社会、サステナブルな地球環境の保全などの、大きな社会課題の解決を図りながら、新しい試みにチャレンジし発展を続けられています。やりがいのある仕事という認識を全社で育まれていった経営者、経営幹部、社員の皆様のご努力を讃えると共に、企業の大切な局面にオレンジフリーさんが寄り添い、ブランディングサポートされている様子を素晴らしいと思いました。このパートナーシップが成長のアクセルです。胸を打つ発表をありがとうございました。」


【第2部:懇親交流会】
初めての方同士がリラックスして交流できる場、それが大阪ブランディング勉強会です。後援いただいている団体紹介やじゃんけん大会など、みんなで楽しい時間を過ごしました。



次回は2025年3月22日(土)テーマは「企業ブランディング〜Z世代の採用と社内教育〜」です。

次回登壇者は、関西コレクションの中川博之社長、株式会社バーテックの末松仁彦社長、広沢自動車学校の祖川嗣朗社長です。詳細は決まり次第、お知らせページにて公開いたしますのでお楽しみに♪